改正動物愛護管理法について

「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、2020(令和2)年6月1日から施行されています。
今回の改正で何がどのように変わったのか?
法律に則った飼養を行うために、きちんと理解することが大切です。

その1 改正内容を知る

まずは、環境省による「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の概要」をしっかり確認。

改正の重点

◎動物取扱業のさらなる適正化
◎動物の不適切な取扱いへの対応の強化

主な改正内容

1. 動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化

2. 第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等

①登録拒否事由の追加
②環境省令で定める遵守基準を具体的に明示
 遵守基準:飼養施設の構造・規模、環境の管理、繁殖の方法等
③動物の販売場所を事業所に限定
④出生後56日(8週)を経過しない犬又は猫の販売等を制限

3. 動物の適正飼養のための規制の強化

①適正飼養が困難な場合の繁殖防止の義務化
②都道府県知事による指導、助言、報告徴収、立入検査等を規定
③特定動物(危険動物)に関する規制の強化
 ・愛玩目的での飼養等を禁止・特定動物の交雑種を規制対象に追加
④動物虐待罪に対する罰則の引き上げ
殺傷:懲役5年、罰金500万円
虐待・遺棄:懲役1年、罰金100万円

4. 都道府県等の措置等の拡充

①動物愛護管理センターの業務を規定
②動物愛護管理担当職員の拡充
③所有者不明の犬猫の引取りを拒否できる場合を規定

5. マイクロチップの装着等

①犬猫の繁殖業者等にマイクロチップの装着・登録を義務付ける(義務対象者以外には努力義務を課す)
②登録を受けた犬猫を所有した者に変更届出を義務付ける

6. その他

①殺処分の方法に係る国際的動向の考慮
②獣医師による虐待の通報の義務化
など

その2 改正のポイントをおさえる

今回の改正について、2.④の「出生後56日(8週)を経過しない犬又は猫の販売等を制限」、3.の④「動物虐待罪に対する罰則の引き上げ」、4.の③「所有者不明の犬猫の引取りを拒否できる場合を規定」、5.の①「犬猫の繁殖業者等にマイクロチップの装着・登録を義務付ける」などは報道機関に注目されているのでご存じの方も多いと思います。
また、1.の「動物の所有等が遵守すべき責務規定を明確化」については、すでに「動物愛護管理法」7条(動物の所有者又は占有者の責務等)において、「動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で 支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養することに努めなければならない。」と定められ、終生飼養に努めることがうたわれているのは皆さんもご周知のとおりです。

その3 重要 動物取扱責任者の要件とは何か

動物取扱業を営んでいる方が多い本協会会員の皆さんに最も喚起をお願いしたいのは、動物取扱責任者の選任要件が大きく改正されたことです。
動物取扱責任者は、第一種動物取扱業の登録申請に必要な要件であり、独立した資格に類するものではありません。第一種動物取扱業者から選任されて、初めて動物取扱責任者となることができます(第一種動物取扱業者自らを動物取扱責任者として選任も可)。
動物取扱責任者は、「事業所ごとに、環境省令で定めるところにより、当該事業所に係る業務を適正に実施するため、十分な技術的能力及び専門的な知識経験を有する者のうちから、動物取扱責任者を選任しなければならない。」と「動物愛護管理法」22条(動物取扱責任者)に定められています。
「十分な技術的能力及び専門的な知識経験を有する者」とは、具体的には次のようになります。(動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の第9条(動物取扱責任者の選任)参照)

動物取扱責任者の選任要件

2020(令和2)年6月以降の動物取扱責任者の選任要件

以下の(1)から(4)までの要件のうち、いずれかを満たす必要があります。
(1)獣医師の免許を取得していること
(2)愛玩動物看護師の免許を取得していること
(3)次の(ア)、(イ)の両方を満たしていること
 (ア)種別に係る半年以上の実務経験、又は実務経験と同等の1年間以上の飼養経験
 (イ)種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
(4)次の(ア)、(ウ)の両方を満たしていること
 (ア)種別に係る半年以上の実務経験、又は実務経験と同等の1年間以上の飼養経験
 (ウ)公平性、専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること
※「実務経験」、「飼養経験」、「1 年間以上教育する学校等」、「資格」等の詳細については動物愛護相談センターまで。

注意

なお、2020(令和2)年5月31日までに登録を受けている事業所の動物取扱責任者については、経過措置により、2023(令和5)年5月31日までに上記の(1)から(4)のうち、いずれかを満たしていなければなりません。
※2020(令和2)年5月31日までに登録を受けている事業所でも、新規に種別を追加する場合や、営業者が切り替わる新規申請の場合(個人から法人への切替等)については、改正後の要件を満たしていなければなりません。詳細については動物愛護相談センターまで。

業 種 業の内容 該当する業者の例
販 売 動物の小売及び卸売並びにそれらを目的とした繁殖または輸出入を行う業 (その取次ぎまたは代理を含む) ◇小売業者
◇卸売業者
◇販売目的の繁殖または輸入を行う者
保 管 保管を目的に顧客の動物を預かる業 ◇ペットホテル業者
◇美容業者(動物を預かる場合)
◇ペットのシッター
貸出し 愛玩、撮影、繁殖その他の目的で動物を貸し出す業 ◇ペットレンタル業者
◇映画等のタレント・撮影モデル・繁殖用等の動物派遣業者
訓 練 顧客の動物を預かり訓練を行う業 ◇動物の訓練・調教業者
◇出張訓練業者
展 示 動物を見せる業 (動物とのふれあいの提供を含む)

申請手続等については、管轄の都道府県又は政令市の動物愛護管理行政担当部局にお問い合わせください。

地方自治体連絡先一覧↓

動物取扱責任者の資格は、ペットショップ経営者、店長、ブリーダーについても取得する必要があります。上記の表を参考に、至急の対応をよろしくお願いします。

動物取り扱い責任者登録について

「動物取扱責任者」の選任要件を満たす永久ライセンス取得をサポートします

2019年の動物愛護管理法改正に伴って法律施行規則の一部が改正され、2020年6月1日より施行されました。今回の改正によって、動物取扱責任者の選任要件が厳格化され、当協会が認定しているグルーマー、訓練士、家庭犬育成指導士のライセンスは環境省適用要件を満たしていないこととなり、ライセンス取得会員や、今までライセンスの必要のなかったペットショップオーナーや店長、ブリーダーで現在取扱責任者資格を有している方も、施行後3年以内に適応資格を取得しなければ取扱責任者資格を失効してしまうこととなりました。当協会では、この対応措置、ライセンス取得者への救済措置として、該当する会員に対し、友好団体である「一般社団法人全日本動物専門教育協会(SAE)」の認定する、動物取扱責任者の選任要件を満たす永久ライセンスの取得についてサポートすることを決定しました。

当協会が取得をサポートする全日本動物専門教育協会の永久ライセンス3種

(発行後は更新不要)
・SAE公認トリマー初級
・SAE公認家庭犬訓練士初級
・SAE公認動物介在福祉士初級
 3種のライセンスはいずれも動物取扱責任者登録の要件を満たし、動物取扱業種別5種(販売、保管、貸出し、訓練、展示)すべてが認められています。ただしライセンスの種類を指定することはできません。KCジャパンのライセンス(グルーマーⅭ級以上、訓練士以上で実務経験2年以上(家庭犬訓練指導士は適合しません)、家庭犬育成指導士2級/Ⅽ級以上で実務経歴2年以上)が切り替え可能です。また、動物取扱業者番号が発行されているブリーダーやペットショップの方で、KCジャパンのライセンスをお持ちでない方には、新たに「動物取扱育成管理士」資格を取得していただきます(テキストと受験票をお送りします)。取得ライセンスと職務履歴等を審査の上で、承認された場合、SAEライセンス43種のいずれかが発行されることとなります。書類をもっての審査となりますので、詳しい職務履歴の記載が必要となります。当協会では、添付する必要書類やライセンス取得、犬舎号取得と繁殖実績などの証明書を発行し、当協会を通じて申請することでスムーズな取得に向けてサポートいたします。
*ご注意 厳格な審査基準がありますので必ず取得できることを保証するものではありません。

SAEライセンス取得のサポートを受ける条件

1.会員であること、すでに退会している方は要再入会。(入会金2000円+年会費5000円)
2.当協会取得ライセンスコピー、学校及び教育機関名と卒業年度、実務経歴(1年以上の教育機関在籍者は実務経験が無くても可)。紛失の場合でもライセンスを取得した事実を証明できれば、過去のライセンスについて再発行はしませんが取得事実を証明します。
3.ブリーダー、ペットショップなどの方は事業所ごとに現在自治体から発行されている動物取扱責任者登録証コピーと「動物取扱育成管理士」ライセンスコピー、犬舎号・猫舎号登録証コピーと実務経歴4,000時間およそ2年以上。
*当協会に登録可能な他団体で取得した犬舎号・猫舎号登録証のコピーも実務経歴の証明になりますが、当協会犬舎号・猫舎号を取得し登録実績があることが条件になります。

注意

以下の方は資格を取得できません。また当協会のサポートを受けられません。
1.過去に動物愛護管理法において罰金刑以上に処されている方。
2.「特定非営利活動促進法」第20条(禁治産者、破産者、暴力団、暴力行為等)に該当する者。
3.日本社会福祉愛犬協会の登録規定を遵守していない。または度々事務局にクレームのある者。
*虚偽の履歴などがあった場合、発行後でも取り消しがあります。またその場合申込料登録料の返却はありません
*KCJ会員は事務局を通じて申請することになっています。全日本動物専門教育協会は電話対応不可です、直接問い合わせることはできません。直接問い合わせた場合サポートを中止し料金の返却もありません。

SAEライセンス取得までの手順と料金

① SAEライセンス取得申込(現金書留のみの扱いとなります。宛先に「ライセンス取得サポート係」と明記してください)申込料15,000円。
*「動物取扱育成管理士」を受験する方は、テキスト代、受験料、登録料合計10,000円が別途加算されます。
*氏名・住所・連絡先電話・あればメールアドレス・所属クラブ・KCJライセンスの種類、動物取扱責任者登録のある方は業種を書いてください。
審査には全日本動物専門教育協会入会が条件ですので申込料15,000円には入会金と1年会費と審査料が含まれます。取得できない場合でも申込料金の返金はありません。
事務局で申込と料金を受領したら、全日本動物専門教育協会の「資格切り替え申請書」と必要添付書類と実務経歴の記載内容についての説明書を郵送します。

② 上記書類が届いたら、「資格切り替え申請書」と必要添付書類(ライセンスや動物取扱登録証、犬舎号猫舎号などのコピー)と職務経歴を記載し、事務局に返送します。もしも不備があった場合は追加、修正を再度送ります。当協会に送られた証明書を確認し、当協会の取得証明または実務経歴証明を発行し添付して、当協会を通じ全日本動物専門教育協会に申請します。

③ 全日本動物専門教育協会で審査の上、ライセンスの切り替えが可能であれば連絡しますので、現金書留で宛先に「ライセンス取得サポート係」と明記し、氏名、住所、連絡先を記載して、SAEライセンス登録料(サポート料含む)30,000円を同封してください。
*ライセンスを取得できなかった場合ライセンス登録料はかかりません。

④ 登録が完了したら、動物取扱業適応永久ライセンスが届きます。
*当協会の証明書作成と他団体への申請と審査があり、発行までに数か月を要することをご了承ください。
*申請書類は個人情報を含みますので、書類の送付及び料金の払い込みはクラブ経由とせず直接KCJ事務局にお送りください。当協会を通じての全日本動物専門教育協会への払い込みは現金となりますのでチケットでの支払いはできません。血統書類の申請には同封せず、ライセンス取得の件単独で現金書留のみの扱いとなります。

「動物取扱責任者」適応ライセンス取得料金

ライセンス取得申込料 15,000円
ライセンス登録料(サポート料含む) 30,000円
「動物取扱育成管理士」を受験する方 10,000円

【申込先】※血統書類申請同封不可
NPO法人日本社会福祉愛犬協会「ライセンス取得サポート」係
〒110-0015 東京都台東区東上野4-13-7警察犬会館6F
電話 03-3847-5297 FAX 03-3847-5438
*電話がつながりにくくなっております。問い合わせはFAXでお願いします。
その際、内容と氏名・連絡先を明記してください。