PART1 (23) 犬と楽しく外出しましょう

PART1(23) 初めての車での遠出、安全に移動しましょう

1. 最初は、近距離からのドライブで犬を慣らします
  初めての犬とのドライブはいきなり長時間の移動をするのではなく、1時間ほどのごくごく近くからのドライブに慣らして、
  犬に負担をかけないことがドライブ嫌いにさせないコツです。

  今回のモデルは、塚本直子さん(静岡県焼津市在住)とミックスの愛犬ソラ君。生後8ヶ月の元気盛りのソラ君と、森まで
  お散歩がてらのドライブにチャレンジしてもらいました。

  ドライブの疲れもなく、元気いっぱいに森の中を歩く塚本さんとソラ君。
  「あ~あ、いい気持ち、やっぱり自然の中はいいねえ、ソラ」
  「いいにおい・・・ワクワクするなあ」とソラ君。

2. もっとも安心で安全な移動方法は、クレートを使うこと
  犬をもっとも安全に、そして飼い主が安心して運転に専念できる方法は、なんといっても犬をクレートに入れ、クレートご
  と車に乗せて移動する方法。それができる車を持っている人には、イチオシのおすすめ方法です。

画像では使用していませんが、もっと犬の安全を考えたら、急ブレーキや振動時に動かないよう、クレートをシートベルト
  などで固定させると安心です。

3. 犬を安全に車の中に入れるポイント
  人間だけでのドライブとちがい、車の出入りの一つ一つが犬の事故につながります。そのため車からの犬の出入りは、常に
  犬が安全かどうかを意識しながら行うことが大切です。以下順を追って、事例をご紹介したいと思います。

(1) 座席に乗らない大きなサイズのソラ君は、車のバックシートに乗せて移動します。車に入れるときに注意したいのは、リー
  ドの長さ。準備が整うまでの間、できるだけあなたのそばに犬がいられるようリードは短く持つこと。これで犬に目が届か
  ない背中向きの作業も安心してできます。

(2) クレートの扉をまず開けます

(3) 犬は抱ける重さなら、必ず抱いてクレートへ入れてやります。勝手に飛び乗らせると、勝手に飛び降りたりして危険です。
  また関節なども痛めます。

(4) クレートに犬が完全に入ったら、リードをはずしてやります。ドライブ中に、リードを噛み切ったり、リードが犬の体にか
  らんだりしないためです。

(5) すぐに静かにクレートの扉を閉めます。

(6) 完全にクレートの扉を閉めたら、クレートにすっぽりと布をかぶせます。こうすると犬は落ち着いて過ごせます。リードも
  すぐ取り出せるように、クレートの上に置きます。 なお密閉されたクレート内の温度が高くならないよう、気をつけて。画
  像のように保冷剤や凍らせたペットボトル、あるいは市販のペット用クールマットをクレートの周りなどに置いてやりまし
  ょう。ただし、犬がそれらを噛んでしまわないよう注意してください。

4. 犬を安全に車から出すポイント
  目的地についたら犬を車から出してやりますが、犬は気もそぞろ状態で早くクレートから出たがります。でもちょっと、待
  って!こんなときこそあなたは冷静に、犬が事故にあわないよう、安全に犬を車から出してあげなくてはなりません。以下、
  順を追って安全なポイントをご紹介します。

(1) 犬を落ち着かせるために無言で布を静かにはずし、リードを持って扉に手をかけます。


(2) 犬がクレートから飛び出そうとしていないことを確認してから、無言のまま静かに扉を、最初は少しだけ開け、ここでも犬
  が飛び出してこないか確認します。

(3) 犬がクレートから出られるくらいまで扉を開けても、犬が勝手に飛び出さないことを確認したら(次回にこれを教える方法
  をご紹介します)、まず犬にリードをつけます。

(4) 「いいよ」という号令で犬がクレートから出てきたら(教え方は次回に)、勝手に車から降りないよう、抱いておろしてあ
  げます。落ち着いて、ゆっくり地面に降ろしてやります。

5. 車の扉を閉めるときこそ、気をつけて
  犬を車から降ろしたとたん、人も犬も目的地へと気持ちがはやります。でもどうか落ち着いて。まずは車の扉を閉め、鍵を
  かけることが先。あわてて車の扉を閉めたら、犬が扉に挟まって死亡した例もあります。落ち着いて、犬を見ながら行動し
  ましょう。

(1) まず、クレートの扉を閉めます。リードは限りなく短く持っていてください。

(2) 次は車の扉を閉めて、車に鍵をかけます。このとき犬はできるだけあなたのそばで固定させておきます。画像のように、リ
  ードは犬の首のそばで踏んで犬に自由な動きをさせないように固定させてから、犬の姿を見ながら安全を確認して車の扉を
  閉めると安心です。