PART1(9) 犬と楽しく外出しましょう
PART1(9) 犬と一緒に歩く基本
犬をあなたの左側につけて歩きましょう
1. 小さなサイズのワンちゃんも練習しましょう
犬と歩く基本は、2つ。
前回ご紹介した「リードをゆるめて歩く」ことと、そして今回ご紹介する「犬を左側につけて歩く」こと。あなた
が「ついて」と愛犬に指示をしたら、愛犬はあなたの体の左側でリードがゆるんだ状態で歩くことを教えることで
す。ただし訓練競技会に出場するわけではありませんので、犬がつく位置はあまり厳密に考えないで、あなたが愛犬
を管理できる範囲内の左側にいてくれるよう教えます。
この2つの基本ができたら、とても楽に犬と散歩ができるばかりか、愛犬の管理ができるので犬自身の安全をあな
たが守ってあげることができます。
大型犬はもちろんのこと、小さなサイズの犬にもぜひ教えてあげたいものです。というのも、小型犬は体が小さく、
体高が低くて、動きが早いので、あなたが犬の動きをよく見ることができず、気がつかないうちに、つい踏んづけた
り、蹴ってしまったり・・・身に覚えはありませんか?これでは犬だって怖くて、あなたから離れようとリードを引
っ張る原因にもなります。そればかりか、そばを通る自転車や車に跳ねられる危険もあります。ですから愛犬を守る
ためにもぜひ教えてあげて。
今回はキャバリア・キングチャールズ・スパニエルの大井チェリーちゃんとT・プードルのエンビ君にモデルになっ
てもらい、実際の練習方法をご紹介したいと思います。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_1.jpg)
2. 最初の第一歩は食べ物で釣りながら、人間の左側につくことを犬に教えます。
誰でも簡単に左側につくことを犬に教えられるのが、食べ物を持った手でニ
ンジンを前にして走る馬のように、犬を食べ物で釣 りながら犬の動きをコント
ロールして教えていくことです。この方法だと犬は喜び、あなたも楽しく教え
ていけます。ですから練習をする前に愛犬が大好きなフード(市販の犬用おや
つや、ササミをボイルした手作りフードなど)を、画像のように小さく切って
用意しましょう。フードの大きさをよく見てください。小さく切って与えるこ
とで、何度でも練習できます。
肥満予防のために、トレーニングに使えるフード(ドッグフードでもかまいま
せん!)は、1日の摂取エネルギーの10%と言われていますので、与えすぎ
に注意が必要です。
この他バージョンアップの練習用に、愛犬の気を引く「ピヨピヨ」と鳴るオモ
チャ(愛犬がすぐ反応する音のするオモチャ)を、ポケットの中に入れておい
てください。ただしオモチャの音がニガテな犬はフードだけで練習します。
この2つを使って、楽しく、犬をあなたの左側につける練習をしてみましょ
う。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_2.jpg)
3. その前にフードの持ち方にご用心
これではあなたがフードを持っていることが犬にわかりずらいため、練習が思
うようにできない原因です。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_3.jpg)
指でフードをつまんだ状態だと、指の外にはみ出した部分を食べようとして、
あなたの指に牙が当って指を傷つけます。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_4.jpg)
指と指の腹ではさんで、フードの端っこが手の外に出ないよう、フード全部が
あなたの指の中に入るよう持ちます。こうすると犬がフードを食べるとき、あ
なたの指が犬の歯に当るため、犬は無意識のうちに力を抜いて食べてくれま
す。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_5.gif)
4. 犬を左につける最初の第一歩の練習
最初は、室内でリードをつけないで(オフリード)練習してみましょう。
(1) まず犬の鼻先にフードを持っていき、匂いをかがせます。どうでしょうか?
これで愛犬が欲しがったり、フードを持った指を舐めようとしたら、練習開
始の合図です。
フードを持った手を画像のように、犬があなたの左側に来るように動かしま
す。無言でやってください。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_6.jpg)
フードを持つ手の位置にご用心!高すぎると犬は飛びつき前に進めず、低す
ぎると首が下がって犬が歩きにくくなります。フードを持った手の位置は、
あくまで犬の鼻の高さをキープしながら、ゆっくりと動かしてくださいね。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_7.jpg)
(2) 犬が動きはじめたら、すぐにあなたは左足を画像のように後ろに移動させな
がら体を横向きに大きく開くことで、犬を左側へと誘導していきます。
(注意)体の長さが長い犬種や大型犬は、あなたが十分に体を横に向けてフ
ードを持った手を後ろへ移動させないと次のUターンがうまくできません。
どうしてもうまく行かない場合は、犬をあなたの後ろから回して左につけて
もいいでしょう。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_8.jpg)
(3) 犬がUターンして、前に歩けるくらいまでの十分な距離をとって後ろへ歩か
せたら、画像のように今度は犬が前進できるよう、フードを持った手を移動
させます。それと同時にあなたの左足と体を正面に戻します。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_9.gif)
(4) 正面で両足をそろえた位置に犬が来たら、誘導していたフードを持った手を
止めます。そして号令を言います。「ついて」と。そしてほめ言葉を言いな
がら、手にもったフードを与えます。ここがいつもあなたと犬が並んで歩く
ときの、犬のいる場所です
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_10.jpg)
手を止める場所に気をつけて。なるべくあなたの両足より前に犬の体が出な
い位置で、手を止めてください。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_11.jpg)
手を止めた位置が前過ぎると犬はフードにつられてあなたの体よりうんと前
に来てしまいます。この位置では犬が管理しずらくなりますから、要注意で
す。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_12.jpg)
5. 犬を左につけるバージョンアップの練習
リードは右手で、フードは左手で持ってと、左右どちらかにそれぞれ持って練習すると、リードが犬にからまず上手
にフードを持った手で犬を誘導して行けます。(画像モデルの大井さんはリードは右手、フードは左手に持って練習
しています)。練習しながら自分のやりやすいように、左右の手にどちらを持つか決めるといいでしょう。
(1) | まず犬を左につけて並んで、「さあ行くよ」と合図をしてから歩き出します。 |
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_13.jpg)
(2) リードがゆるんでいても、練習のためにあなたはわざといきなり立ち止まり
ます。そして電信柱になり、リードが張った状態にします。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_14.gif)
(3) リードがゆるむまで待てない人は、犬の名前を呼んで、あなたの方に犬が来
るように誘導してリードがゆるむようにします。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_15.jpg)
犬の名前より、おもちゃを鳴らした方が犬があなたに注目してそばに来る
(リードもゆるむ)可能性が高い場合は、ポケットの中のオモチャを慣らし
ます。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_16.jpg)
(4) 犬があなたのところに来ると同時に左足を後ろに移動させ、体を横に開い
て、フードを持った手で犬を画像のように誘導させます。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_17.jpg)
(5) フードを持った手で犬がUターンできるよう誘導します。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_18.jpg)
犬をUターンさせるときのフードを持った手の動かし方
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_19.gif)
(6) あなたと並んだ位置で手を止め、犬を静止させます。
「ついて」と号令を言って、ほめ言葉をかけた後にフードを与えます。
![](https://www.kcj.gr.jp/upload_files/blog/dog9_13.jpg)
この一連の練習は5回連続して繰り返して1クールと考えます。そして1日最低3クールを練習してみてください。